表現集の使い方
ここでは表現集の使い方を説明します。この表現集は英語で使われている表現を集めてものです。日本語で言いたい事を英語にしたものでありません。そのために自然な表現だけが収録されています。
次の60冊の表現が準備されています。対話集に練習でかなりの英語を覚えた段階で始めた方が効果的です。全部で3,000英文が収録されています。
対話集は繰り返し練習して記憶量と増やすのが目的です。しかし、対話集は何度も練習するには向いていますが、使われている事例には言語があり、必要な表現が含まれているとは限りません。
表現集はいろいろな表現が含まれますが、単純な反復練習のためにかなり大変になります。覚えるならまず対話集から覚える事をお勧めします。
この表現は全部覚えると言うよりは、自分が使えそうな表現を覚えるのに向いています。
1.表現集の目的
表現集の目的は必要な表現を覚える事です。対話集では限られた表現しか覚えることができません。しかし、対話集はストーリーが展開し、かつ他の学習者との練習が何度でもできますから、楽しく何度でも学習ができます。
全部を覚えると言うよりは自分の使いたい表現を確実に覚えて使えるようにしてください。
対話集をどんどん覚えると、今度は英語力が向上するとどんどんいろいろな表現が使いたくなります。表現はそのような場合に特に分野に分けて使える表現がまとめてあります。
もちろん基本的な学習方法は同じです。そして対話集と同様に反復練習でネイティブを真似る事です。そして忘れないように覚え事も同じです。覚えたかどうかの目安は発音がネイティブの発音に近くなったかどうかです。
表現集も忘れないようなディープラーニングが必要になります。全部を覚えると言うより必要な表現や使いたい表現を先に覚える方が効果的な学習ができます。
2.発音の練習
英語学習では発音は非常に重要です。ディープラーニングでは最初から最後まで発音練習とも言えます。基本は達人を真似、フィードバックで修正と矯正をすることです。
しかし、その大事な発音練習はどうするのが最も効果的で正しい学習方法なのでしょうか。
音声学で教える音素とか発音記号は音声にあの音が実際に並んでいるのではありません。音声学の音素は聞こえた音で判断しますから、聞く人によって違ってきます。日本でもウダさんは30音で、英語耳の松澤さんは43音で、多くの音声学の方は45音で、遠藤さんは51音で教えています。
世界の調音音声学では45音素が一般的なようですが英国には44音素学派もいます。
ではいろいろな数で教えても大きな問題が起きていないのは人間の発声器官は音素を並べる事ができません。必然的に音が連続的に変化してしまいます。結果的にはある程度の発音ができるようになります。
もちろん科学的に正しい方法でありませんから、非常に効果的な学習ではありません。
音声は音のストリーム
英語や日本語の言語の音声の捉え方は大変に重要です。科学的に分析すると英語の音声には発音記号(音素)のような音が規則正しく並んでおりません。音が連続的に変化しているだけです。音素が聞こえるのは学習した錯覚とも言えます。
音声にはつまり正しい音が存在しませんから教える事も、チェックすることもできません。
世界的な有名な言語学の本で、Linguisticsと言う本があります。この本は、いつ読んでも内容はぜんぜん古さを感じさせません。日本人で英語を教える立場にある方には読んでおいたほうが良いと思います。なぜならば、著者たちは、過去のLinguisticsに関する文献をかなりの数読みこなしていて、そのエッセンスを本書で伝えようとしているからです。
本書は、実質20年近くかけて書かれたと考えても良い、Linguisticsの入門書です。The University of Arizonaで教科書として使用して、先生や学生からも多くのフィードバックを取り入れて改訂を続けています。
Linguisticsと言うタイトルですが、実質はEnglishの分析を行っています。他の言語がどうなっているかの例として日本語が英語と対照的に取り上げられています。
この本の中で音声を、continuous streams of soundと表現しております。日本語にすれば連続的な音のストリームとでも訳せるかも知れません。音声は音のストリームなのです。
言語学の権威ある本はcontinuous streams of soundと言っているのですから、音声が音のストリームであるは紛れもない事実です。
では日本語の発音を我々日本人はどうやって覚えたのでしょうか。これは非常に簡単で聞いた音を真似したのです。そして自分で聞いてフィードバックを得て矯正や修正をしたのです。
音声は連続的に変化する音であるために、音素を学んで並べる学習方法は効果的でありません。音声を学ぶ唯一の方法は日本語の習得と同じように聞いた音を真似る事です。そしてフィードバックを得て、修正と矯正をすることです。
これはディープラーニングとも呼ばれる脳の効果的な学習方法です。まわりの正しい発音を真似る事によりだんだん正しい発音に近づいていきます。正しい音が存在しないのですから、通じる発音に近づいていきます。
発音記号に忠実に発音すると非常に発音し難いのはそのような音を並べる事が発音ではないからです。日本語もそうですが、英語も子供が発音を覚える時は聞いた音を真似します。日本語でも発音の覚え方は同様です。
自分の発音を録音して時間差のフィードバックを得て、自分の悪い部分から直してください。基本的には発音しやすい音が理想的な発音になります。
言語には正しい音素が並んでいる訳ではありません。すると正しい音と比較して良いとか、悪いとかの判断はできません。
だんだん慣れてきたらリアルタイム聴覚モニターを使い、自分の話している英語をチェックできると録音をする必要がなくなります。
臨界期の克服
臨界期とは12才から14才くらいになると言語習得が難しくなることです。しかし、それは英語の音の判断力が急に劣化することであり、言語習得のメカニズムは臨界期の前も後もまったく変わりません。
言語の学習メカニズムは臨界期前も後もディープラーニングで学習します。しかし、臨界期以降は音の判断力が劣化するために発音の習得が難しくなります。
それを克服するためにはフィードバックを得る事です。ディープラーニングは真似るだけでなくフィードバックを得た矯正や修正をします。特に録音してフィードバックを得る時間差フィードバックは有効な手段です。
大事なことはネイティブのような音を真似る事です。すると音に対して繊細になります。音の違いがだんだん分かってきます。臨界期後であっても音に注意を払う事で音の判断力を向上させる事は可能です。
3.英語のスピーキング
ある程度英語を覚えたら自分で話したい事を英語で言う練習をしてみてください。できれば少なくとも数千の英語を覚えた後の方が賢明です。使える英語が少ないと調べる事が多くなり、英語を話す事が苦しくなります。英語の表現をあまり知らない状態で英語を話そうとするのは、単に知っている言葉の使い回しになります。
まず自分の好きなテーマを選び、英語で話しを作ってみてください。まず自分の生い立ち、食べ物、スポーツ、料理、健康、自分の趣味、自分の関心事等が良いと思います。自分の知っている事を英語にしますからどう英語にするかを練習するだけです。
できるだけ自分の知っている英語を使ってください。覚えている英語なら直ぐ思い出せるはずです。
自分が言いたけど知らない英語表現があれば辞書で調べてください。そして覚え易い英語を作ってください。格好良い英語を使うよりは自分が覚えて使える表現の方がずっと実用的です。
特別の分野の例文が必要であればいろいろな例文集から選んでください。しかし、まだ英語をあまり覚えていない段階で例文集を覚えるのは大変に苦痛な勉強になります。どうしても例文集を覚える必要であれば別ですが、できれば多くの対話集を覚えてからの方がいろいろな英語が覚え易くなります。
4.運用とメンテナンス
ある程度英語を話す事に慣れてきたら英語学習広場で友達を探して話してみてください。例えば自分の生い立ちを覚えたら違う友達なら同じ話ができます。いろいろな人と話して徐々に自分の持ちネタにしてください。
英語学習のモチベーションは楽しい英語学習ができるか、または自己有能感を得る事ができるかのどちらかです。
常に自分のスキルが向上できるような学習を心掛けてください。フィードバックを生かす事がだいじです。
そして対話練習や会話練習の相手を探してください。それができるのが英語学習者の広場です。
サイボウズのSNSをつかい、登録制の会員の交流を促進します。だれでも簡単に登録できるシステムではありませんが、安心して使ってもらう事ができます。厳しい規約もあり、その範囲内では自由に英語学習活動ができます。
ここで多くの方と練習することにより英語学習のモチベーションを維持してください。
事前に話す内容を決めておけば良いかも知れません。話を聞いている時に必要があれば質問をしてください。一方的に話すよりは質問が入る方が難しくなります。しかしこのように途中で質問が入る方が実際の英語を使うシチュエーションに近くなります。必ず十分練習をして、自分の英語の自慢ができる状態で友達との英会話練習をしてください。
友達と英語で話す事のメリットは話す事よりは、話すためにはそれなりの準備と練習をします。この練習が英語力を向上させます。自分のベストの英語を話すべきです。
もし準備や練習をせずに他の方と練習するのはやはり失礼な事であり、避けるべきだと思います。